とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



ギャラリーの入口で呼吸を整えながら腰の拳銃に手を添えた。



そしてそれを構えると、意を決してギャラリーへ足を踏み入れた。




『う…動くな…!』



部屋の中にはたった一人…。



『なっ何者だっ!?』



そう言うとその人物はふわりと目を細めて微笑んだ。



それがあまりにも美しく…バラクは思わず目を奪われる。



彼は長い銀色の前髪を掻き上げ、英語で何かを呟いた。



『…お…お前はなんだ!?』



バラクが片言の英語でそう言うと、銀髪の彼は驚いたように目を見開いた。



『…あんた、英語喋れるんだ!』



彼はクスッと笑いながら、着ていた上着を脱ぐとそれを手にバラクの目の前まで歩いて来た。



『これ、借りちゃったんだ…持ち主に返しといて。』



『…は?…』



予想外の言葉に一瞬固まる。




< 167 / 476 >

この作品をシェア

pagetop