とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
殴られた頭をさすりながら、忍を追いかけてきた右京が愚痴を溢した。
「いいじゃないか・・・戻ってきてからずっと“お預け”なんだし・・・」
前以上に叔父の監視がひどく、毎度絶妙なタイミングで邪魔をしてくるのだ。
「これからどこ行く~?ラブホ~?」
「行 か な い わ よ !!」
全力で拒否する忍を見て右京はゲラゲラと笑った。
「冗談だよ。とりあえずランチしようぜ?」
そう言って自分の手を握って歩き出す彼を忍は見上げた。
・・・黙ってればイケメンで済むものを・・・
忍は一人こっそりと溜め息を着くのだった。