とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
昔よく二人で行ったイタリアンレストランに入ると、「おや?」と店員に声を掛けられた。
「君たち、久しぶりだね。」
「どうも。ずっと俺が留学してたんですよ。」
「ほぉ!また来てくれて嬉しいよ。彼女も相変わらず可愛いね。」
そう言う店員に「でしょ~?」と何故か右京が満面の笑みを浮かべた。
得意気に“彼女自慢”を始めた右京に軽く頭痛すらしてくる。
「ちょっと…!恥ずかしいからやめてよ!」
「なんで?」
「なんでって…おかしいでしょ!?」
「おかしくねぇよ。だって俺の彼女、最高にいい女だもん。」
サラッと言って退ける右京に呆れて言い返す気も失せた。