とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



テーブルに運ばれてきたドリアを突っつきながら、右京の“彼女自慢”は続く。



「マジで俺、彼女好きなんだよ~?」



「…どこがいいの?」



「ん~…そうだな…理屈じゃねぇんだよな、そういうのって!そう思わねぇ?」



「そうかもね…」



忍はカルボナーラを食べながら苦笑する。



「職場の人達が聞いたら絶対引くわよ?」



「ああ、確かに引いてた!」



…もう言ったんかい!?



怪訝な顔付きの忍を無視して喋り続ける右京。



「そしたら“会わせろ”ってうるせぇの!」



「…嫌よ!絶対嫌!何を話したのか知らないけど、“大したことない”って言われるのが落ちだもん!」



「俺は彼女を見せびらかしたくて仕方ないくらい!…でも、変な虫が付くと困るな…」



ドリアをモグモグと頬張りながらブツブツと呟く右京に忍は溜め息を溢した。



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