とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「あ~美味しかったぁ!」
忍の言葉に満足そうな笑みを浮かべた右京は「どこ行こうか?」と彼女の手を取る。
「そうね…右京の洋服でも見に行く?」
「…なんで俺の?」
「最近毎日スーツでしょ?シャツとかネクタイとか、もう少しあってもいいじゃない。」
「忍が選んでくれるなら…」
忍は右京の手をグイグイ引いてデパートまで来ると、普段は絶対来ないような紳士服売り場を物色し始めた。
「…右京?…」
そう声を掛けられ、右京と忍は同時に振り返った。
「やっぱり!」
「相馬先輩!?偶然っすね!」
談笑を始めた右京と、“相馬先輩”という人物を眺め、忍は「知り合い?」と首を傾げた。
「そう!職場の先輩!…あっ相馬先輩、俺の彼女です!」
忍は彼に「いつも右京がお世話になってます」と頭を下げた。