とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




居酒屋に来て一時間。



お酒が入った男達の馬鹿騒ぎに当てられ、忍は疲れを感じ始めていた。



だが、あからさまに顔には出せず気力で乗り切る。



「忍ちゃんは平気なの?」



「へっ?…何がですか?」



「右京だよ!社内の女達から人気なんだよ、コイツ外面いいから~」



…だろうなと思いながらも笑って誤魔化す。



「もうすぐ右京ファンの一人が来るぜ!」



「相川どんな反応するか、見物だな?」



そう言って笑う右京の先輩に忍はちょっと不快感を抱く。



まるで彼女を笑い者にする為に自分が居るように思えた。



「ちょっと私、お手洗いに…」



そう言って居心地の悪いその場を離れた。



トイレにある鏡の前で化粧を直しながら「ふぅ…」と小さく息を吐く。


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