とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「明日は午後から天気が崩れるって予報で、今ハイピッチでこの事態を収拾してんだ。」
「そりゃ大変だな~・・・手伝うよ!」
右京は作業をしている従業員に混じって手前の荷物に手を掛けた。
近くに居た若者に「すまないな」と言われ、右京は笑って応える。
「ホントだ!お前のせいだからな!」
「だっ・・・だから謝ってるじゃないか!」
どうやらこの若者が大惨事を引き起こした張本人らしい。
「おかしぃなぁ・・・何かが絶対居たんだけど・・・」
ブツブツと呟きながら荷物を運ぶ若者に右京は眉を寄せた。
・・・“何かが居た”・・・?
つい最近同じ言葉を聞いた。
「・・・何かって?」
そう聞いてみると若者は「実はさ」と作業をしながら話し出した。