とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『ニックの奴、嫌がらなかったか?』
『ああ、“もうやだ”って言ってたよ。クロウも居ないしね。…だけど幸いヒューガが居たから心配ない。』
『…ああ、確かに虎太郎が居たな…』
…というか、アイツまだ帰ってなかったのか…
どうやら天界の神々の件を右京に伝えに来ただけではないらしい。
…また“地雷”でも踏んだんだな…
『まぁ、また進展したら報告するよ。』
『ああ、頼むよ。』
『ところで…』とアランは声のトーンを少し上げた。
『仕事忙しそうだね…今日も。』
『まだ慣れないから…って何で知ってる?』
『モニタのポインターがあちらこちらへと…』
『またか!?…どれ!?どれに仕込んだ!?』
『ダンから就職祝いでブランド物の携帯ストラップ、貰ったろ?』
…やられたっ…!!
楽しそうにクスクスと笑うアランに右京は『悪趣味だ!』と項垂れるのだった。