とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『なんで忍さんに!?…右京がキレるの判ってただろ!?』
『なんでかな…そん時はそこまで考えなかったんだよ。…もちろん、今は後悔してる。』
『思いっきり殴られたし』と笑うニックに虎太郎も苦笑する。
『…生きてて良かったな…』
『本当だよ!マジで殺されるかと思った!』
虎太郎からすれば、右京がニックを殺めてしまわなかった事にホッとした。
…“あの”右京なら殺りかねないし…
彼の存在は天界の神達も懸念を抱いていた。
“あの堕天使はいつ悪魔と変貌してもおかしくない”…と。
虎太郎ですら時々心配になる。
おそらく彼が彼方側に墜ちたら、今居る地上はもちろん、天界ですら危険になる。
彼にはそれだけの“力”があるのだ。