とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
虎太郎は老婦人に疑問を投げ掛ける。
『彼は…ノーマンは何に怯えてたのでしょうか…奥さんはそれについて何か聞いてませんか?』
『……いや、聞いてないね』
そう答える彼女をジッと見据え、『そうですか…』と静かに言った。
ニックはその場の空気を変えるように、『ところで!』と声のトーンを上げた。
『あの家は売りに出されてるんですよね?不動産屋はご存知で?』
老婦人は二人に待つように言うと、一旦家の中に引っ込んだ。
『…彼女、何かおかしくなかった?』
『そうか?…そんな風には見えなかったけど…』
ニックはそう言ったが虎太郎は彼女が何か隠しているように思えてならない。
モヤモヤとしていると再び老婦人が顔を出し、一枚の名刺を差し出した。
『なんか胡散臭いセールスマンだったよ!…ノーマンの家に入りたいなら会ってみたらどうだい?』
二人は婦人に例を言うと、歩道からノーマンの家に向かった。