とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
◇
日中は慌ただしく人々が行き交っていた通りも、深夜にはたまにタクシーが通るくらいで人影はほとんど無かった。
そんな寂しい通りを右京は歩く。
イギリスで生活するようになって早3年。
最初は苦労して覚えた道順だったが、今では勝手に足が向く。
一階のアンティークショップの前に人影が見え、右京は『よぉ』と声を掛けた。
『どっか行くのか?』
『“仕事”だ。』
アンティークショップの店主であるクリスはいつもの無表情でそう言った。
彼の言う“仕事”が店絡みのそれでないことは明らかだった。
・・・“あっち”の仕事か・・・
軽く手を上げて夜の街に消えていくクリスを見送って、右京は二階へ続くビルの階段を小走りで上がる。
入口でチラリと監視カメラを見上げると、何重ものロックが外れる音が聞こえた。
日中は慌ただしく人々が行き交っていた通りも、深夜にはたまにタクシーが通るくらいで人影はほとんど無かった。
そんな寂しい通りを右京は歩く。
イギリスで生活するようになって早3年。
最初は苦労して覚えた道順だったが、今では勝手に足が向く。
一階のアンティークショップの前に人影が見え、右京は『よぉ』と声を掛けた。
『どっか行くのか?』
『“仕事”だ。』
アンティークショップの店主であるクリスはいつもの無表情でそう言った。
彼の言う“仕事”が店絡みのそれでないことは明らかだった。
・・・“あっち”の仕事か・・・
軽く手を上げて夜の街に消えていくクリスを見送って、右京は二階へ続くビルの階段を小走りで上がる。
入口でチラリと監視カメラを見上げると、何重ものロックが外れる音が聞こえた。