とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
ノーマンの家は隣の老婦人の家よりも遥かに大きかった。
『…こんなデカイ家に一人暮らしだったら、寂しかっただろうね。』
『だから隣の婆さんと飲んだりしてたんだろうな。』
ニックはそう言いながら、携帯を取り出すと不動産屋に電話を掛けた。
その間、虎太郎がノーマン宅の外観を見ていると視線を感じて振り返る。
その視線はさっきの老婦人の家からで、虎太郎が目を向けると同時にカーテンが揺れた。
『おい、ヒューガ!…不動産屋と連絡が取れたぞ。』
『えっ?…ああ、良かった。』
『やる気なセールスマンだったよ。一時間後にここで待ち合わせだ。』
『じゃあ、とりあえず飯と宿を探すか…』
そして、二人は何を食べるかを議論しながら住宅街を後にした。