とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




老婦人は記者の二人が帰ると一人掛けのソファに座ってテレビを見ていた。



そのうちウトウトしてしまったらしく、来客を知らせるベルの音でハッと目を覚ました。



時刻は15時…。



何時の間にそんなに眠ってしまったのだろうか…?



ビービーと鳴り止まないベルに『うるさいねぇ…』と愚痴を溢しながら玄関の扉を開けた。



『…なんだい、またあんたかい…』



『ちょっと聞きそびれてしまった事がありまして…』



申し訳なさそうに苦笑する青年を睨む。



『…なんだい?早くしとくれよ、私だって忙しいんだよ!』



『ちょっとここでは…入っても?』



彼女は少し考えてからドアチェーンを外すと青年を招き入れた。



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