とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
◇
外はもう陽が西に傾き、忍はハッとして壁の時計に視線を移した。
いつの間にこんなに時間が経ったのだろう。
もう退社時間はとっくに過ぎていたが、オフィスにはまだ残業組みが数名仕事をしていた。
忍は「残業しない予定だったのに」と独り言を呟くと、急いでデスクの上を片付け始めた。
向かいから顔をひょっこり出した谷地はそれを見て苦笑する。
「だからさっき言ったじゃない。“もうすぐ定時だよ”って!」
「えっ!?本当に!?・・・聞いてなかった・・・」
ついつい仕事に没頭してしまうとあまり人の言葉が入ってこない。
自分の悪い癖だと忍は自己嫌悪した。
「すみませんが、お先に失礼しま~す!」
パーティションにぶつかりながらオフィスを出て行く忍に谷地は「まったく」っと言って笑った。
外はもう陽が西に傾き、忍はハッとして壁の時計に視線を移した。
いつの間にこんなに時間が経ったのだろう。
もう退社時間はとっくに過ぎていたが、オフィスにはまだ残業組みが数名仕事をしていた。
忍は「残業しない予定だったのに」と独り言を呟くと、急いでデスクの上を片付け始めた。
向かいから顔をひょっこり出した谷地はそれを見て苦笑する。
「だからさっき言ったじゃない。“もうすぐ定時だよ”って!」
「えっ!?本当に!?・・・聞いてなかった・・・」
ついつい仕事に没頭してしまうとあまり人の言葉が入ってこない。
自分の悪い癖だと忍は自己嫌悪した。
「すみませんが、お先に失礼しま~す!」
パーティションにぶつかりながらオフィスを出て行く忍に谷地は「まったく」っと言って笑った。