とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




虎太郎は屋敷のだだっ広い階段を降り、豪華な装飾の施された玄関の扉に手を掛けた。



『おや、お出掛けですか?』



『ああ、クドラクか…ちょっとP2までな。』



『折角ディナーをご用意しましたのに…』



がっかりと肩を落としたクドラクには申し訳ないが、アランに招集をかけられちゃ仕方ない。



『じゃあ、後で食うから取っといてよ。』




『しょうがないですね…全く虎太郎さんと言い右京さんといい…天使というのはマイペースな方ばかりなんですか!?…だいたい私は執事じゃないんですよ!?…それなのに…』



クドラクは溜め息を吐きながらブツブツと愚痴を溢し始めた。



虎太郎は“また始まった”と彼の小言にうんざりする。

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