とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
それは小さなレシート程の大きさの紙に何かが書き列ねてある写真だった。
『…なんて書いてあるのかしら…』
シンディが大きな瞳を細めて凝らすが、所々インクが滲んでいて読めない。
ロイは『これならどうだ?』とキーボードを叩くと画像処理を施した。
…読めた…!
“善と悪の選択。
禁断の書物の謎を私は解いた。
そして、神に仕えし悪魔に目を付けられたのだ。”
『…“神に仕えし悪魔”…!?』
『…間違いない、マスティマの事だ。…でも…何か引っ掛かるな…』
虎太郎はうーんとその違和感が何かを考える。
…“善と悪の選択”…
マスティマは善性を見極める為の絶対悪だ。
…彼はその“絶対悪”に目を付けられたのか?