とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



「もしもし…?」



「忍、まだ仕事~?」



携帯から聞こえて来た右京の声に何故かホッとする。



「今帰るよ。…右京はもう帰ってるの?」



「当たり前!今何時だと思ってんの!?」



「何時って…7時過ぎでしょ?」



「はぁ!?もう9時半だよ!」



…えっ!?…さっき確か7時過ぎだった…あれ…?



再び視線を時計に向けると、右京が言うように9時半だった。



「おかしいなぁ…見間違えたのかな…」



「とりあえず、早く出てこいよ。下で待ってるから。」



「えっ!?いつから!?ま、待って、すぐ行く!」



慌てて鞄を掴むと、部屋の灯りを消してパタパタと廊下を走った。



急いでる時に限ってエレベーターはなかなか来ない。



忍はちょっと考えて非常階段から下に降りる事にした。




< 230 / 476 >

この作品をシェア

pagetop