とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「…送別会…?」
「ん。…らしい…」
デザートにチョコレートケーキを食べながら忍は「別にいいのに」と呟いた。
あの出版社に勤めて2年半…忍は仕事を辞める訳ではなく、契約社員としてイギリス支社を手伝うらしい。
こっちでの送別会は寿退社する谷地のそれと兼ねている為、断る事も出来ない。
「右京はないの?送別会…」
「いらないって言った。…AXELの奴等が何かやるみたいだから、そっちは行くけど。」
「…まさか、それって私も?」
「…当たり前じゃないか…」
「ちょっと…!ならもっと早く言いなさいよ!」
忍はビジネス手帖を取り出すと忘れないうちに予定を書き込んだ。
「…なんか、最近色々忙しくてあんま二人の時間ないね…」
ポツリと溢した忍の言葉に右京はフッと微笑んだ。