とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



右京は忍の口元に付いたチョコレートを指ですくい取ると「良かった」と小さく囁く。



「…そう思ってるの、俺だけかと思ってた…」



少し頬を染めた忍に右京は満足そうに笑うと立ち上がった。



「もう食い終わったろ?そろそろ行くぞ。」



「あ…うん。」



右京の広い背中を追いかけ、忍は少しドキッとする。



…こんなに広かったんだ…右京の背中…



右京の運転するバイクの後ろで忍はその背中に頬を寄せ、腰に回した腕に少し力を込めた。



ガレージにバイクを停めた右京は、自宅に戻ろうと歩き出した忍の腕を掴んで引き戻す。



「…うわっ!?…ちょっ…!?」



「なにすんのよ!」と言おうした忍の唇を少し荒っぽいキスで塞ぎ…



ガレージの壁に彼女を押し付け、右京は忍の耳元で囁いた。



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