とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




翌朝、携帯のアラームの音で目が覚めた。



…ん~~…後5分…



寝返りを打って再び閉じ掛けた目の前に艶やかな黒髪が見えた。



「……しのぶ…?」



昨日あの後普通に寝たのは覚えてるが、忍がいつ自分の布団に来たのか覚えていない。



…忍が服を着ているから、襲ってはいない…多分…。



ストレートの髪を梳き、そっと額にキスをすると彼女が眠たそうに目を開けた。



「…おはよう、忍。…いつからここに居た?」



「ん…今朝。…休みなのに早く起きたの…」



まだ微睡む忍の様子に頬が緩む。



「そっか」と彼女の頭を撫でると、右京は伸びをして布団から起き上がった。



「あいたた…」



…自業自得か…



腰に鈍い痛みを感じて昨夜の情事を反省する。



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