とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
縁側で昼寝をしている右京を見つけた忍が彼の顔を覗き込んだ。
「…その傷どうしたの?」
「クソジジイにやられた…」
「珍しい!…鈍ってんじゃないの?」
「あのなぁ~!誰のせいだと…まぁ、いいや…」
はぁと息を吐く右京に忍が首を傾げながら隣に腰を下ろす。
右京はズリズリと移動して彼女の膝に頭を乗っけた。
穏やかな午後…忍は彼の綺麗な銀髪を撫で、あどけない寝顔を眺める。
こんな何気ない日常に幸せを感じた。
…ずっとこうしていたいな…
「…右京…大好きだよ…」
そう囁くと右京が微かに笑みを浮かべた。
「…知ってるよ…」
そのうち彼の寝息が聞こえて、「平和だね…」と独り言を呟いた。