とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
…私…どうしちゃったんだろ…
この前も似たような事があったのを思い出して不安になる。
黙りこくる忍の顔を潤が覗き込み優しく微笑んだ。
「大丈夫ですよ。最近忙しそうでしたし、きっと疲れてただけです。」
「…そうね…気を付ける…」
とは言ったものの、疲れているからだとは思えなかった。
家に帰ると右京はまだ帰ってないらしく、彼の帰りを待ちながら先に風呂に向かう。
湯船に浸かって目を閉じ…。
「おいっ!…忍!?」
「…えっ…?」
目を開けるとスーツ姿の右京が居た。
「…なにやってんの?そんな格好で…」
「おまっ…それはこっちの台詞だっつーの!!」
右京の話だと風呂場で溺れかけてたらしいが、忍は全く覚えていなかった。