とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
◇
右京が風呂から戻った時、忍はもう居間にはいなかった。
叔母は右京を引き留め、「あの子…大丈夫かしら…」と神妙な表情をした。
「大丈夫。忍はおかしくない。」
キッパリと言い放った右京に叔母は無理に笑顔を作って見せた。
「右京…忍をよろしくね?…あの子、ほっとくと無理するから…」
「ん…判ってるよ。」
右京は叔母の肩をポンと叩いて階段を上がって行った。
忍の部屋をノックすると何故か潤が現れた。
怪訝な顔をした右京に彼は肩をすくめると「ちょっと…」と廊下に右京を引っ張った。
「右京さま…忍さまは誰かに呪いでもかけられてるんでしょうか?」
「お前から見てそう見えるのか?」
「ええ、まぁ…ただ妙なんですよ…」
「妙…?何が?」
「全く邪気が感じられないんです。」
呪いの類いなら少なからず邪気は生じるはずなのだ。
右京が風呂から戻った時、忍はもう居間にはいなかった。
叔母は右京を引き留め、「あの子…大丈夫かしら…」と神妙な表情をした。
「大丈夫。忍はおかしくない。」
キッパリと言い放った右京に叔母は無理に笑顔を作って見せた。
「右京…忍をよろしくね?…あの子、ほっとくと無理するから…」
「ん…判ってるよ。」
右京は叔母の肩をポンと叩いて階段を上がって行った。
忍の部屋をノックすると何故か潤が現れた。
怪訝な顔をした右京に彼は肩をすくめると「ちょっと…」と廊下に右京を引っ張った。
「右京さま…忍さまは誰かに呪いでもかけられてるんでしょうか?」
「お前から見てそう見えるのか?」
「ええ、まぁ…ただ妙なんですよ…」
「妙…?何が?」
「全く邪気が感じられないんです。」
呪いの類いなら少なからず邪気は生じるはずなのだ。