とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「なんつーか…切ないな。」
「…俺って可哀想かも…」
そう言いながらも忍の後を追う右京はゴウに腹を抱えて笑われた。
フロアから廊下へ出ると一気に騒音が小さくなる。
右京が壁に凭れていると、フロアから彼を追って来たらしい相川が現れた。
…ああ、コイツも来てたんだっけ…
職場での送別会はしなかったが、AXELでの送別会には相川や篠原、相馬来ていたのを思い出す。
「…どうした?トイレ?」
「あ…いえ、あの…右京さんとちゃんと話したくて…」
「話…?」
「あの…ずっと好きでした。」
「ああ…そう。…なんつーか…ありがとう…」
答えに迷って無難にそう返すとトイレの戸が開いて忍が出て来た。