とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
右京と相川を見てムッと口を尖らせ無言で二人の前を通り過ぎる。
…うわっ…機嫌悪っ!
相川に「じゃあね」と軽く手を振って慌てて忍を追いかけた。
「忍っ!無視すんなって…」
フロアの手前で忍を捕まえて引き寄せる。
「…別に私、気にしてないし…」
「…素直じゃねぇな…」
「…良かったわね、告白されて。」
「良くねぇし…」
「どーだか…!満更でもないんじゃない?」
「…忍…」
哀しそうに苦笑する右京に忍がバツが悪くなり視線を反らす。
「…ちゃんとこっち見ろよ…」
「やだ…。」
「…なんで怒ってる?」
「…怒ってないもん…」
「ホント…?」
「…ごめん、ウソ。…ちょっとムカついた。」
急に素直になった忍に右京はプッと吹き出した。