とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



二人の会話が聞こえた…。



「もう!なんで笑うわけ!?」



「いや、だって…可愛すぎなんだよ、忍は…」



「すぐそうやって誤魔化す!」



じゃれ合ってフロアに戻って行く二人を見ていた相川は悔しさに独り唇を噛む。



「…あんな女の何がいいのよ…」



…大したことない癖に…



自分の方が全然イケテると思った。



だが、右京は全く自分に靡かない。



…なんで…!?



納得がいかない。



その時、頭の奥で誰かの囁く声が聞こえた。



“二人の仲を引き裂け”と…。



…ちょっと邪魔してやればあっさり別れるかもしれない。



そう考えて相川は二人を追ってフロアに戻ると右京の姿を探す。



カウンターでバーテンと談笑している彼を見付けた。



< 251 / 476 >

この作品をシェア

pagetop