とある堕天使のモノガタリⅣ ～TORAH～

「…右京はこう見えても“変態”よ…？」



バーテンがブッと吹き出し、右京は「待てコラっ」と額に青筋を立てた。



「誰が変態だ、誰が！」



「右京以外誰が居るのよ。」



「自分の彼氏に向かって普通変態とか言わなくねぇ!?」




目の前で繰り広げられる痴話喧嘩にバーテンが溜め息を漏らした。



「…まぁ、何にせよこの二人の仲を裂こうとか考えてるなら無駄っすよ。」



「…何故そう言えるの？」



そう聞くとバーテンは苦笑する。



「クロウが…黒崎さんがそれを望んでないから。」



彼は「見れば解るでしょ？」と二人を指差す。



「あの人のあの顔！馬鹿みたいに彼女にゾッコンなんすよね～」



「………」



相川はいつもと違う彼に気付いた。