とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「ちょっと…!あんた達やめなさい!」
掴み合っている男の間に割って入ると、忍は腰に手を当てて説教を始めた。
「…また…忍が…」
はぁ…と項垂れると右京はガシガシと頭を掻いた。
相川は助けに行かない右京を見てほくそ笑む。
…右京さんが助けてくれると思ってるのね。ふふふ…ザマ見ろだわ!!
「いいんすか?止めなくて…」
「暴れれば俺への苛々が減るだろ…」
暢気にビールを飲むと右京は相川をチラッと見た。
「…相川…」
「はい?」
「…あんなんなるなよ?普通の男なら絶対引くから。」
顎で騒ぎを指しながら右京が苦笑した。
相川は神妙な顔を作って「忍さん…大丈夫なんですか!?」と聞く。