とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~


透き通るようなグリーンアイを細めると、右京は「デートしよう」とそのまま忍の手を引いて引き返した。



「デートって・・・今から?」



「そ。ちゃんと言って来たから大丈夫!」



すれ違う人たちが振り返る。



そんな人たちの視線に忍はちょっと恥ずかしくなった。



“・・・右京、またかっこよくなっちゃった・・・”



嬉しいような、悲しいような・・・。



微妙な表情の忍に気付いて右京がちょっと首を傾げた。



「なに?・・・家に帰りたかった?」



「ううん、そういう訳じゃないの。・・・ただ・・・」



「“ただ”・・・?」



「ムカツク!!!」



「ええっ!?なっ・・・なに、突然!!」



いきなりそんな事を言われた右京が焦りだした。



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