とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
サイドテーブルにトレイを置くとベットに腰掛け、右京は眠る忍の首筋にキスをした。
「…んっ…くすぐったい…」
ちょっと身を捩る忍を真上から見下ろし「おはよう」と囁くように声を掛けた。
「…右京…?」
「良く寝れた?」
「ん…今何時…?」
「8時。…お腹空いてない?」
上半身を起こした忍は眠そうに目を擦りながら「空いたぁ…」と呟く。
右京はそんな彼女に微笑むと「じゃ~ん」なんて言いながら膝の上にトレイを乗せた。
「うわぁ…!これ、右京が?」
「忍の為に作ってみた。」
「凄い…美味しそう!…食べていい?」
忍がニコニコしながら自分の作った朝食を食べる様子に、右京が満足そうに微笑んだ。