とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



…今更あれこれ考えても仕方ないか。



あまり深く考え過ぎるとろくな結果にならない。



右京は頭からネガティブな思考を追い出し、これからの新生活を考える。



右京の準備休暇はあと3日程であったが、忍は来週からの勤務らしい。



「私、土地勘ないから迷うかも…」



「まぁ、いざとなったらニックに連れてってもらったら?」



右京の何気なく口にした言葉に忍は難しい顔をする。



「…右京は嫌じゃないの?」



「ニックの事?…そりゃ多少はね、色々考えるよ。でもアイツは馬鹿じゃない。」



「…なんだかんだ言いながら信頼してんだね…」



ニックとはそれなりに付き合いも長いし、信用はしているつもりだ。



だが、“信頼してるか?”と言われると、yesと即答し難い。



…何せ前科があるしな…。



< 267 / 476 >

この作品をシェア

pagetop