とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



忍にはいつでも右京は魅力的に映る。



…彼女の私がそう思うんなら、他人が見ても同じように思うんだろうなぁ…



だからヤキモチを妬いてしまうのだ。



そんな時、決まって右京は楽しげに忍をからかう。



照れて真っ赤になる忍にあの天使の笑みを浮かべ、「忍はホント俺が好きなんだね~」なんて言ってキスするだろ。



今もきっと…。



「どこら辺が俺、大人?」



「…どこら辺って言われても…あ、でも考え方とか変わったんじゃない?」



「そうかな…」



「うん。あと、仕事モードの右京は落ち着きがあって……大人な感じかな?」



“素敵だよ”と言おうとして忍は言葉を選ぶ。



そうそう毎度彼を喜ばせるのは忍的には癪なのだ。



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