とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
◇
窓辺に置かれたロッキングチェアに深く腰掛けて本を読む。
いつもは薄暗く感じるこの部屋も、今夜は満月であるお陰でかなり明るい。
軽く椅子を揺らしながら本のページを捲る。
ふと気配を感じてクドラクは顔を上げた。
『…思ったより早かったな…』
彼はゆっくりとした動作で手にしていた本をパタンと閉じると、視線を入口に向けた。
数秒後にそこから入って来た人物にクドラクはニッコリと微笑む。
『そろそろ来る頃だと思ってました。』
そう言われてムッと口を尖らせた不機嫌な元·堕天使…もとい右京は、彼の言葉を無視して手前のソファに腰を掛けた。
『…どうやらご機嫌が麗しくないようですね…』
『当たり前だ。…真っ直ぐ家に帰れば忍が居るのに、なんでお前に会いに来なきゃならんのだ…!』
文句を言いながらネクタイを緩める右京を、クドラクは楽しげに見つめた。
窓辺に置かれたロッキングチェアに深く腰掛けて本を読む。
いつもは薄暗く感じるこの部屋も、今夜は満月であるお陰でかなり明るい。
軽く椅子を揺らしながら本のページを捲る。
ふと気配を感じてクドラクは顔を上げた。
『…思ったより早かったな…』
彼はゆっくりとした動作で手にしていた本をパタンと閉じると、視線を入口に向けた。
数秒後にそこから入って来た人物にクドラクはニッコリと微笑む。
『そろそろ来る頃だと思ってました。』
そう言われてムッと口を尖らせた不機嫌な元·堕天使…もとい右京は、彼の言葉を無視して手前のソファに腰を掛けた。
『…どうやらご機嫌が麗しくないようですね…』
『当たり前だ。…真っ直ぐ家に帰れば忍が居るのに、なんでお前に会いに来なきゃならんのだ…!』
文句を言いながらネクタイを緩める右京を、クドラクは楽しげに見つめた。