とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




ベットが軋み、微かにジャンヌ·アルテスの香りがして目を覚ました。



忍はそれが右京だと気付き、寝返りを打つ。



「…おかえり…遅かったね…」



「…ん。…ごめん、起こした?」



「…大丈夫…」



忍がそう囁くと、布団に潜り込んで来た右京が甘えたように頬を寄せた。



「…どうしたの?」



「ちょっとね…」



何か嫌な事があったのか、自分をギュッと抱き締め放さない。



忍は子供をあやす様に右京の背中をポンポンと叩いた。



ふと、彼の首筋に傷があるのが目に入り、何をしてきたかが解った。



「…浮気者…」



「止めて…そんな風に言われると凹む。」



右京は、はぁ…と溜め息を着いてゴロンと仰向けになると目を閉じた。



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