とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
忍は手を伸ばしてその傷に触れてみた。
右京はちょっと眉間に皺を寄せ、片目を開けて忍を軽く睨む。
「…痛いの?」
「めちゃめちゃ痛いよ…」
忍はちょっと身を起こして彼の首筋をペロッと舐めた。
ビクッと反応した右京に忍はクスクス笑いながら「まだ痛い?」と聞く。
「痛い。…もっとして…」
グイッと引っ張られて右京の上に乗せられた忍は、もう一度傷に舌を這わせた。
「…んっ…ヤバいな…変な気になってきた…」
そう言って身を反転させて忍を押し倒し、彼女の唇を奪う。
何度も繰り返されるキスとTシャツの裾から這い上がった彼の手が素肌を撫で、忍が甘い吐息を漏らした。
至近距離にある右京の整った顔は色っぽく、忍は鼓動が早くなるのを感じた。