とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



結局翌朝は二人とも起きれなかった。



今日が休みで良かったと右京はホッとすると、隣で眠っている忍を眺める。



彼女の顔にかかる艶やかな黒髪を指で耳にかけてやると、ちょっと身動ぎした。



もごもごと寝言を言っている忍に顔を近付けてみる。



「右京…ダメだよ、こんなところで…」



…なんだ?エロい夢でも見てるのか?



「…こんなところで暴れちゃ…」



「暴れねぇよ!!」



思わず寝言にツッコミを入れてみたが、彼女が起きる気配はない。



右京はそんなに自分は頻繁に暴れてるだろうかと真剣に考える。



答えは“NO”だ。



自分の中にいるベルセルクという怪物の存在は認めるが、最近それも上手く制御出来ていると右京は思う。



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