とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



リサはわざとらしく溜め息を着くと、強張る虎太郎に顔を近付けた。



二人の間に流れる空気が甘いものならいいのに…と虎太郎は場違いな事を一瞬考えた。



…が、リサから出た言葉にそれが全く甘くない空気であることを思い知らされる。



『いいじゃない、“息抜き”なんて。…私にも欲しいわ~…でも、“何処かの誰か”が仕事押し付けて逃げたから、私には無理ね…そう思わない?』



『ちょ、ちょっと待って!…押し付けてないじゃないか…!リサが“代わってあげる”って…』



そこまで言うと思いっきり突き飛ばされ、虎太郎はベットの縁に頭をぶつけた。



呻く彼を睨み付け、遂にリサが爆発する。



『私に押し付けておいて羽根を伸ばしてたのは誰よ!!』



『お、落ち着けって…!』



そして、この劣勢から脱出する策を必死に考える。


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