とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「久しぶりに会えたんだから、そんな怒るなよ。」
「っ・・・!・・・じゃあ・・・あんな事しないでよ・・・」
「あんな事って?」
「ちょっ・・・!?しらばっくれる気・・・」
「ああ、ほら!そろそろ返さないと!!」
慌ててお好み焼きを返す忍に右京はクスクスと笑う。
「・・・忍はいつからそんなにヤキモチ焼きになった?」
「妬いてないわよ!・・・ソース!!」
「はいはい。・・・つか、折角のデートなのに何故お好み焼き?」
「食べたかったの!右京が言ったんじゃない、“私の食べたいものでいい”って。」
小皿にお好み焼きを取り分けると「はい」と右京に手渡す。
右京は“ロマンチックな夜景の見えるレストランで・・・”と考えていたらしい。
・・・まぁいっか。
美味しそうに頬張る忍が可愛いし、彼女と一緒ならどこでもいい。