とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




『…で?帰ったのか?』



右京はモニターから頭を上げて虎太郎を振り返った。



『…何が?』



『何がじゃねぇだろ!?仕事中に電話してきたクセに!!』



『ああ、リサの事か…。帰ってない。』



今朝のリサとの一件を思い出す。



あの後、何とか喧嘩は沈静化したものの、彼女との会話でも理解出来ない部分が多く、虎太郎を悩ませた。



そして独りで答えが出せないのが気持ち悪くて、つい右京に電話をしてしまったのだ。



彼は『くだらない事で電話してくんな!』と言いながらも、自分の話をちゃんと聞いてくれるのが嬉しい。



『くぅ~~!!やっぱり右京好きだぁ~!!』



『うぜぇ、沈めるぞ…。つか、お前本当に馬鹿だな…』



虎太郎の話を聞いた右京は呆れたようにそう言った。



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