とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
『女の考えなんて、俺等には到底わからねぇよ。』
『…右京でも忍さんの考えてる事判らない?』
『八割方判る。』
『判るんじゃん…』
電話に向かって不貞腐れた声で呟くと、右京の笑い声が聞こえた。
『俺達は特別なの!付き合い長いし…でも完璧には判らないぜ?俺もお前も神じゃねぇんだ。』
『神でもそこまで出来る方は少ないって…』
『言葉のアヤだよ。…つか、単に寂しかっただけじゃねぇの?』
『まぁ、それもあるとは思うんだけどさ…』
果たしてそれだけなのだろうか…。
それなら黄泉に居たときから何故彼女は機嫌が悪かった…?
右京には『放っておけ』と電話を切られてしまったが、虎太郎はそんな気にはなれなかった。