とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~




少し近くに居すぎたのかとこちらに来てみたが、リサはまるで自分を追い掛けて来たようだし…。



虎太郎は嫌われた訳ではないと判り、嬉しい反面“では何故?”という疑問が更に濃くなる。



かといって聞いても答えないのでは、彼女が何を考えてるかなんて到底判る訳がなかった。



『…放っておくしかない…か…。』



『とりあえず気まずくないならいいんじゃねぇか?』



会話を聞いていたロイがそう言ってチラッこっちを振り返る。



同調したように右京も頷くと、虎太郎は半ば諦めたように小さく息を吐いた。



ロイは自分の座ったイスのローラーを滑らせ、虎太郎の傍まで来ると耳元で声を潜めた。



『ベットの中で甘い言葉でも囁いてやれば?』



『…余計なお世話だよ…』



軽く睨むとロイはわざとらしく首を竦めて自分のデスクに戻って行った。



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