とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



右京の隣で資料を見ていたシンディは『これだから男って…』と呟く。



『あのね、女ってのはいつも自分が一番でありたいのよ。何を犠牲にしてもね…』



『“一番”か…。』



『そうよ。だからベットでの甘い言葉なんかじゃ騙されないわよ?私に言わせれば、ベットでの言葉なんて一番信用出来ないわ!』



『言葉じゃなくて行動よ』と言い切るシンディの台詞が妙に説得力があり、虎太郎はふーんと納得する。



『あ~なるほど…』



そう呟いたのは虎太郎じゃなくて右京だった。



『何となく解った。』



『なになに、教えて!』



『リサにさ、“右京よりリサが大事”って事を行動で示せばいいんじゃね?』



『…俺、嘘つけない…』



『いっぺん死んでこい。』



『同感だわ…。』



『ええっ!?な、なんで!?』



右京とシンディは狼狽える虎太郎を見て、クスクスと笑った。



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