とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



虎太郎は皆の話を聞いていて、もしかして自分のリサに対しての態度が物凄く最悪だったのではという念にかられた。



それを今すぐ彼女に伝えたくて携帯を取り出してみたが、彼女が携帯なんて持っているはずもない。



『…俺、ちょっと…』と言い掛けた時、アランが入口から現れた。



『やぁ、珍しくメンバーが多いね。丁度良かった。』



『何かあったのか?』



『実はダンから連絡があってね…』



神妙な表情のアランを前に、虎太郎は“彼女に会いたいから抜ける”なんて言い出せなかった。



内心特大のため息をつき、浮かし掛けた腰をソファに戻す。



『…で、ダンは何だって?』



虎太郎の問いかけにアランは『実は…』と話し始めた。



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