とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



バイトの青年は『ちょっと…!?』と慌ててダンのあとを追う。



『困りますって!今人を呼んで来ますから…』



『ならさっさとしろ!…じゃないと俺がドアをぶち破るぞ。』



低い声で言うダンに青年はたじろぎながら無言で事務所へと走って行った。



モニター室の前で待っていると入口付近からバタバタと複数の足跡が聞こえた。



『…やっと来たか…』



刑事課の同僚であるメイスンがダンの姿を見付けると、素早く駆け寄り『状況は?』と小声で聞いた。



『今モニター室から監視カメラの映像を確認する所だ。』



『なるほど。…爆弾はあったのか?』



『いや、まだ調べてない』



もしあるとするならホール内か、ロビーか…。



同じ考えに至ったらしい同僚は、部下に辺りの捜索を指示した。



ダンは彼から防弾チョッキを手渡し、端的に会話を交わす。



メイスンとは何度もチームを組んだ事があるが、真面目なタイプの人間だ。



ダンは応援に来てくれたのが彼で良かったと少しホッとした。




< 301 / 476 >

この作品をシェア

pagetop