とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「・・・嫌?・・・」
「なにが?」
「だからぁ!俺と暮らすの嫌なわけ!?」
「ちょっ・・・声でかいから!!」
周りのテーブル客までこっちを見ていてさすがの忍も焦る。
右京はそれを見ていたずらっ子のような笑みを浮かべた。
・・・なに・・・?嫌な予感が・・・
案の定、右京は突然立ち上がると大声で「忍!!!」と言い出した。
「俺と結婚しよう!?」
「ちょっと・・・!って・・・結婚!?」
突然のプロポーズに周りの客は「おお!!」と感嘆の声を上げてるし、忍は軽くパニックになる。
「兄ちゃん頑張れ!!!」
「彼女も早くオーケーしちゃえよ!!」
「だろ!?皆もそう思うよな!?」
右京は店内の客と忍そっちのけで盛り上がってるし・・・。
「わ、判ったから!!・・・します・・・しますからぁ!!」
真っ赤になった忍が訳もわからないままそう言うと、店内の至る所から歓声が上がった。