とある堕天使のモノガタリⅣ ～TORAH～

火蓋

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右京達が渡英してから１ヶ月程が経ち、やっと生活にも馴れて来た頃。



マスコミを騒がせた映画館の事故もやっと鎮静化し、運悪く担当となってしまったダンも無事退院したらしい。



久しぶりの週末は一日忍と過ごそう考えていただけに、あの日の右京は頗る機嫌が悪かった。



朝一呼び出されたと思ったらあの報告なのだから無理もない。



早々に帰宅した右京を忍が「おかえり」と出迎えてくれた。



その笑顔に少し癒される。



右京はキッチンに立つ彼女の腰に後ろから手を回すと、首筋にチュッとキスを落とした。



「…ねぇ、忍。デート行かない？」



「右京、疲れてるんじゃないの？昨日も帰って来たの遅かったじゃん。」



「ん～平気。忍とデートしたい。」



甘えた様な彼の言葉に忍はクスッと笑った。