とある堕天使のモノガタリⅣ
~TORAH~
「ぁっ…ちょっ…あははは!くすぐったいって!」
「まだ何もしてねぇじゃん!こら、逃げるな!大人しくしろ~!」
忍が弱い脇腹を右京がわざと攻め、二人はベットの上でじゃれ合う。
ひとしきり笑い転げ、忍は「降参!降参!」と右京の背中をタップした。
「苦しい~もう、無理~!」
「ハハハ!だらしねぇなぁ!」
涙目の忍を真上から見下ろし、右京はクスクスと笑いながら彼女の目元を指で拭った。
彼の透き通る様なオッドアイが凄く優しくて、忍は視線を逸らせない。
右京の顔が近付いて来ると忍は静かに目を閉じた。
唇に触れた甘く柔らかな感触に鼓動が早くなる。
…ああ、また右京のペースに嵌められた…。
けれどもそれを拒めないのは、自分も彼を求めているからかもしれない。
そんな事を考えながら、忍は右京の腕の中で熱い吐息を漏らすのだった。