とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



『お前の…神の狙いはなんだ?俺か?』



『…神はお前の力を欲している。』



『何の為に?ティタノマキアか?』



ただじっと冷たい眼差しで右京を見据えたまま、マスティマは質問に答えない。



否定すらしなかったが、右京にはそれが肯定しているとしか思えなかった。



『神って何処の神だ?』



『我の主はたった一人…ゼウス様だけだ。』



『っ…!?』



…なんて…そんなっ…!


─“天空神ゼウス”



天界に置いて絶対的な力を持ち、王として君臨する神…。



もしそのゼウスに歯向かう者が居るとすればタイタンぐらいだろう。



『…何故ゼウス様が俺を?あの方なら俺の力なんて必要ないんじゃないか?』



『我は神の御意志に従うのみ。もしお前が拒否をすると言うのなら、手段を選ぶなと言われている。』



淡々とそう言うマスティマに右京は眉を寄せた。

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