とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



『けど、そうなると俺達の主旨と異なるな…。』



『あの…君達の主旨って…?』



『ああ、そうか…ドクターには言ってませんでしたね。俺達の秘密結社の主旨は“対悪魔”なんですよ。』



そしてダンが秘密結社としての自分達の活動内容を説明すると、ベッカーは信じられないという表情をした。



冗談かとも思ったが、彼等は至って真顔で嘘を付いているわけでもないのは確かだ。



それでも『なるほど』と頷く事が出来ず、ただ口をパクつかせる。



『そ、それは…ちょっと私には信じがたいが…。“秘密”と言っていた意味がやっと判ったよ…。』



『いや、“秘密”は他にある。』



思わず眉を寄せた彼に右京は平然と『自分は人間じゃない』と言って退けた。



…彼は酔ってるのか?



思考が追い付かず、そう考えずにはいれない。



だが、更に右京は追い討ちを掛けるように続けた。




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