とある堕天使のモノガタリⅣ ~TORAH~



紙袋から取り出したオレンジを積み上げ、忍はリサと眺めながら『う~ん』と唸る。



『シノブ、オレンジ好きなの?』



『いや、嫌いじゃないけど…リサ、半分持ってく?』



『そんないらないわよ…少しでいいわ。』



『じゃあ…ママレードにしようか?それ持ってきて。』



そう言ってキッチンに移動すると、忍はリサとママレードを作り始めた。



「なに?ジャムにすんの?」



バスルームから出て来た右京は二人の後ろから作業を覗く。



「出来たらあげるから向こう行ってて。」



「はいはい…」



ちょっとつまらなそいな表情をして去って行く右京を見てリサは忍に『いいの?』と聞いた。



『私…邪魔?』



『なんで?邪魔じゃないよ?』



『ならいいんだけど…。』



なんとなく最近やたらネガティブなリサに忍は『なんかあったの?』とさりげなく問い掛けた。



< 360 / 476 >

この作品をシェア

pagetop